拡散現象とは,物理学ではエネルギーや物質が濃度の高い部分から低い部分へと流れ,均一な定常状態へと向かう現象
拡散強調画像(diffusion weighted image; DWI)は、分子のブラウン運動の程度を画像化
⇒ 運動の大きなものを低信号
T2強調画像で高信号な自由度の高い病変はDWIでも高信号 ⇒ T2 shine-through
ADC(apparent diffusion coefficiennt)は、DWIの高信号とT2強調画像の高信号を区別するための拡散速度(分子運動の程度)を反映した撮影方法(T2強調画像の影響がない)
脳梗塞のMRI画像の経時変化
発症からの期間 | 病態 | T2強調画像 | DWI | ADC |
0-1 hour | 還流異常のみ | 所見なし | 所見なし | 変化なし |
1-24 hour | 細胞性浮腫 | 所見なし | 高信号 | 低下 |
1-7 day | 細胞性浮腫 + 血管性浮腫 | 高信号 | 高信号 | 低下 |
1-3 week | マクロファージ、血管新生 | 高信号 | 高~等信号 | 低下~変化なし |
2-4 week | 浮腫軽減 | 高信号 | 等~低信号 | 変化なし~上昇 |
1 month以降 | 壊死、吸収 ⇒ 瘢痕化 | 高信号 | 低信号 | 上昇 |