不眠、せん妄

その他
マサイキリン

不眠

不眠は、慣れない入院の環境になったというだけの理由もありますが、体調不良の症状の一つの可能性もあり
身体的不調:発熱、疼痛、掻痒感
生理的原因:時差ぼけ、夜勤、騒音
心因性:ストレス
精神科的:うつ病、不安症、アルコール
薬理学的:ステロイド、利尿薬

外来での不眠の訴えは、実は眠れていることも(8時間も眠る必要なし)
65歳での総睡眠時間は6時間が一般的

不眠への薬剤治療

メラトニン受容体アゴニスト
ラメルテオン(ロゼレム®, 8mg)半減期1-2時間 中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に効果

ベンゾジアゼピン系
ブロチゾラム(レンドルミン®, 0.25 – 0.5mg)半減期7時間(短期型)、中途覚醒に
フルニトラゼパム(サイレース®, 0.5 – 2.0mg)半減期20時間(中間型)

非ベンゾジアゼピン系
ゾルピデム(マイスリー®, 5 – 10mg)半減期2時間(超短期型)、入眠障害に
ゾピクロン(アモバン®, 7.5 – 10mg)半減期4時間、入眠障害に、苦みの副作用
エスゾピクロン(ルネスタ®, 1 – 3mg)半減期5時間

オレキシン受容体拮抗薬
スボレキサント(ベルソムラ®, 15 – 20mg)REM睡眠増加作用(悪夢の副作用)
レンボレキサント(デエビゴ®, 5 – 10mg)比較的速効性あり

せん妄

高齢入院患者の1割に発症

危険因子

高齢者、視覚・聴覚障害
環境因子:ストレス、禁酒、点滴などのルート、環境変化
薬剤:ベンゾジアゼピン系、疼痛治療薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、認知症治療薬、抗コリン剤、ステロイド、ポリファーマシー
電解質・代謝異常:低酸素血症、甲状腺機能異常、脱水
中枢神経:脳卒中、中枢神経感染症、認知症
全身感染症、心不全、アルコール依存症、低栄養

せん妄の予防

不安やストレスの軽減

検査、治療などを文字で明確化
感覚遮断への対応 眼鏡、補聴器
時間がわかるように時計の設置、カレンダー
家族の写真、テレビ、音楽鑑賞
日光が入る環境、日中のリハビリ
全身状態の管理

せん妄への薬剤治療

軽症時(内服可能時)

リスペリドン(リスパダール®)0.5~2mg 夕食後 +/- 昼食後
半減期は4時間、鎮静効果は弱め、予防投与に
糖尿病患者にも使用可能

クエチアピン(セロクエル®)12.5~50mg 夕食後~眠前
半減期は4時間、糖尿病に禁忌、錐体外路症状は少ない

ミアンセリン(テトラミド®)10~30mg 夕食後~眠前
半減期18時間、糖尿病に使用可能、うつや疼痛にも効果あり(興奮を伴わないせん妄に適)

重症時(内服不可時)

ハロペリドール(セレネース®)2.5~10mg +生食 50mL div
鎮静効果強い

フルニトラゼパム(サイレース®)0.5~2mg + 生食 50mL div
催眠効果が強い、呼吸抑制に注意

クロルプロマジン(コントミン®)25mg +生食 50mL div
日中に眠気が残る、血圧低下の可能性

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