肺炎 CAP & HAP

呼吸器
トラ

分類

市中肺炎(CAP, community-acquired pneumonia)

細菌性肺炎

肺炎球菌(約20%と最も多い)
インフルエンザ桿菌、モラクセラ、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌

非定型肺炎

マイコプラズマ、レジオネラ、クラミドフィラ(肺炎クラミジア)

特徴:60歳未満、基礎疾患なし、頑固な咳、聴診所見乏しい、痰なし、WBC <10000
βラクタム系薬剤の効果がない

院内肺炎(HAP, hospital-acquired pneumonia)

入院後48時間以上の後で発症

主要分離菌(≠原因菌)
MRSA、緑膿菌、肺炎球菌、MSSA、肺炎桿菌、インフルエンザ菌

人工呼吸器関連肺炎(VAP, ventilator-associated pneumonia)


HAPの中でも人工呼吸器管理中の肺炎
主要分離菌(≠原因菌)
緑膿菌、MRSA、MSSA、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属

医療・介護関連肺炎(NHCAP, nursing and healthcare-associated pneumonia)

療養型病床に長期入院中、介護施設に長期入所中に発症
多くが高齢者で、予後不良
CAPとHAPの両者の特徴を持つ
誤嚥性肺炎、インフルエンザ後の二次性細菌性肺炎、耐性菌性肺炎、日和見感染症

重症度判定

市中肺炎(A-DROPシステム)[Miyashita, 2006]

① Age, 男性70歳以上、女性75歳以上
② Dehydration、BUN 21mg/ml以上または脱水あり
③ Respiration、SpO2 90%以下(PaO2 60 Torr以下)
④ 意識変容あり
⑤ 血圧(収縮期) 90 mmHg以下

0項目、軽症 外来治療
1-2項目、中等症 外来または入院治療
3項目、入院治療
4項目、ICU入室

院内肺炎(I-ROADシステム)

① Immunodeficiency 悪性腫瘍または免疫不全状態
② Respiration SpO2 90%以下(PaO2 60 Torr以下)
③ Orientation 意識障害あり
④ Age 男性 70歳以上、女性 75歳以上
⑤ Dehydration 乏尿または脱水

2項目以下
「CRP ≧ 20 mg/dL」 or 「胸部Xp 陰影の広がりが一側肺の2/3以上」
(-)軽症、(+)中等症
3項目以上 重症

治療

CAPの治療

市中肺炎のエンピリック治療

市中肺炎では緑膿菌は 2.3%で、ほとんど考慮する必要なし

外来患者群

経口薬

βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(オーグメンチン® AMPC 250mg/CVA 125mg)
 オーグメンチン®単剤(3T)ではAMPCが少ない可能性
 オーグメンチン®1T + サワシリン®(AMPC 250mg) 1C ×3/dayも考慮
マクロライド系薬(エリスロマイシン®、クラリスロマイシン®)
レスピラトリーキノロン(アベロックス®、クラビット®)500mg/day

(非定型肺炎が疑われる場合)

クラリスロマイシン
アジスロマイシン(ジスロマック®)1回500mg 1日1回3日間

点滴薬(1日1回)

セフトリキアソン 1~2g/day
レボフロキサシン(クラビット®)
アジスロマイシン

一般病棟入院患者群

点滴薬

スルバクタム・アンピシリン(スルバシリン®)
セフトリキアソン(ロセフィン®)
レボフロキサシン

(非定型肺炎が疑われる場合)

ミノサイクリン
レボフロキサシン
アジスロマイシン

HAPの治療

分類

IROAD(生命予後因子)
①悪性腫瘍 or 免疫不全状態
②SpO2 >90%を維持するのにFiO2 0.35以上必要
③意識レベルの低下
④男70歳以上、女75歳以上
⑤乏尿 or 脱水
2項目以下は軽症または中等症、3項目以上は重症

IROAD2項目以下で、(CRP<20 mg/dL and 一側肺野の2/3以下)→ 軽症、それ以外→中等症

治療例

軽症
クラビット 500mg 内服
セフトリアキソン 1-2g を 1-2回/day
SBT/ABPC

中等症
TAZ/PIPC
MEPM
CFPM +/-CLDM(嫌気性菌を考慮)
CAZ +CLDM +SBT/ABPC(緑膿菌を考慮)

重症
中等症への薬剤 +エクサシン 400mg +LVFX +VCM(レジオネラ、MRSAを考慮)

NHCAPの治療

NHCAPの治療は、日本呼吸器学会から以下のようなガイドラインあり

日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎診療ガイドライン、2011より

治療期間 [Musher, 2014]

基本は5-7日

非定型肺炎 7-14日(AZM 3日)

黄色ブドウ球菌肺炎+菌血症 2-4週間以上

肺化膿症・膿胸 4-8週間

文献など

Miyashita N, et al. The JRS guidelines for the management of community-acquired pneumonia in adults: an update and new recommendations. Intern Med 2006, 45, 419-28

Musher DM, et al. Community-acquired pneumonia. N Eng J Med 2014, 371, 1619-28

日本呼吸器学会 成人肺炎診療ガイドライン、2017

日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎診療ガイドライン、2011

今村圭文、河野茂. 肺炎診療ガイドライン:日本における総括と今後への展望. 日本内科学会雑誌 2015, 104, 2228-36

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