喘鳴wheezingの鑑別
喘息
喘鳴、呼気延長
運動、アレルゲン、寒気などの環境要素に曝露されたときに増悪
電気ヒーター、ペット、ハウスダスト、化学薬品も誘因
COPD
労作時呼吸困難、喀痰の増加
喫煙歴、呼吸機能検査(1秒率 70%未満)、胸部XP
心不全
夜間発作性呼吸困難、体重増加、浮腫
心不全、心筋梗塞の既往、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、喫煙、肥満の誘因
詳細は急性心不全の項目へ
喘息への対応
重症度
SpO2 96%以上 軽症、SpO2 91~95%以下 中等症、 SpO2 90%以下 重症
検査
バイタル、BGA、胸部XP(肺炎合併の有無)
急性期治療
①短期間作用型β刺激薬(SABA; short acting β2 agonist)吸入
手持ちの吸入薬(メプチン®、サルタノール®) または ベネトリン®0.5ml + 生食 5ml ネブライザー
②ステロイド投与
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール®) 40-125mg 4-6hごと
ベタメタゾン(リンデロン®) 4mg 12hごと
③アドレナリン 0.3mg im
慢性期治療
コントローラー(長期管理薬)
①なし
②低用量ICS
③低用量ICS/LABA or ICS/LAMA
④中用量~高用量ICS/LABA or ICS/LAMA
⑤生物学的製剤 ⇒ 専門医へ
副腎皮質ステロイド薬
吸入ステロイド薬(ICS; inhaled corticosteroid) 吸入薬 ぜん息治療の中心となる薬
アズマネックス®、オルベスコ®、キュバール®、パルミコート®、フルタイド®など
経口ステロイド薬 飲み薬 全身性に働くステロイド薬
プレドニゾロン®、プレドニン®、リンデロン®、セレスタミン®(抗ヒスタミン薬との合剤)など
長時間作用性β2刺激薬(LABA; long-acting β agonist,ホルモテロール)
交感神経を刺激して、気管支を広げる働き
吸入ステロイド薬と併用
セレベント® 吸入薬 、ホクナリンテープ® 貼り薬
吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤 (ICS/LABA)
吸入薬 1剤で気管支の炎症を抑える効果と、気管支を広げる効果
アドエア®、シムビコート®、フルティフォーム®、レルベア®
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA; leukotriene receptor antagonist)
飲み薬 気管支を収縮させる作用に深く関係しているロイコトリエンという化学伝達物質をブロック
オノン®、キプレス®・シングレア®
テオフィリン徐放製剤
飲み薬 ゆっくり溶ける作用時間の長い薬で、気管支を広げる働き
テオドール®、テオロング®、スロービッド®
長時間作用性抗コリン薬(LAMA; long-acting muscarinic antagonist)
吸入薬 気管支の収縮をうながすアセチルコリンをブロックし、気管支の収縮を抑える働き
チオトロピウム(スピリーバ®)、シーブリ®、エクリラ®、エンクラッセ®
リリーバー(発作治療薬)
短時間作用性β2刺激薬
吸入薬 飲み薬 交感神経を刺激 ⇒ 気管支拡張
サルタノール®、メプチンエアー®、アイロミール®
テオフィリン薬
飲み薬 気管支の緊張をとって、気管支拡張
ネオフィリン®
COPD増悪への対応
酸素投与してSpO2 88~92%目標
検査 バイタル、BGA、胸部XP
急性期の治療
抗菌薬
感染が疑われるとき、膿性喀痰、CRP 4mg/dL以上のとき 市中肺炎に準じて選択
ステロイド プレドニン® 40mg 5days
SABA
手持ちの吸入薬(メプチン®、サルタノール®) または ベネトリン®0.5ml + 生食 5ml ネブライザー
慢性期の治療
チオトロピウム(スピリーバ®、長時間作用型抗コリン薬LAMA)
インダカテロール(オンブレス®、長時間作用型β刺激薬LABA)