甲状腺機能低下症

内分泌
シマウマ

概要

外来患者の 0.1-0.4%、入院患者の約1%

甲状腺自体の機能障害(原発性)と下垂体・視床下部障害(続発性)

症状:
嗄声、皮膚乾燥、寒がり、易疲労感、過眠、筋力低下、うつ症状、思考遅延、記銘力低下、月経不順、心不全、意識障害

検査と鑑別診断

non-thyroidal illness(NTI)の可能性を考慮
重症疾患、低栄養

薬剤性
TSH分泌阻害 ステロイド、オピオイド、ドパミン
甲状腺ホルモン代謝への影響 フェニトイン、リファンピシン、β遮断薬
甲状腺ホルモン産生抑制 ヨウ素、アミオダロン、リチウム

fT4低下、TSH低下

続発性甲状腺機能低下症

副腎不全の有無を確認 ⇒ 合併があれば先行して補充

チラージン® 開始

fT4低下、TSH上昇(>10 mU/L)

原発性甲状腺機能低下症

チラージン® 開始(2 µg/kg/day 以上必要なときは吸収不良)

TSHでフォローする

fT4低下、TSH上昇(4.5 – 10 mU/L)

薬剤性の可能性
基礎疾患の評価
抗Tg抗体、抗TPO抗体の測定

原因があれば対応
数週~数か月後に再検

fT4低下、TSH上昇(> 4.5 mU/L)

薬剤性の可能性
基礎疾患の評価

原因があれば対応
数週~数か月後に再検

同じ状態が継続 ⇒ 潜在性甲状腺機能低下症

以下の場合は治療検討
50-65歳で心血管リスクあり
甲状腺機能低下症状がある
甲状腺腺腫あり
抗Tg抗体、抗TPO抗体陽性
LDLコレステロール高値
妊婦、妊娠を予定
増悪傾向

緊急性のない原発性甲状腺機能低下に対する治療

高齢者、虚血性心疾患(疑いを含む)を合併

チラージン® 12.5 µg/dayから開始
不整脈や心筋梗塞の誘発に注意し、2-4週間隔で 12.5 µg/dayずつ漸増
fT4が基準値に入ったら、TSHが高値でもチラージンの量は8W以上維持
(TSHの改善には6-8週間かかり、fT4に遅れて正常化)
TSHが高値のままの場合は、更に 12.5 µg/day追加

心疾患のない若年者

チラージン® 25~50 µg/dayから開始
2-4W後に 12.5~25 µg/dayを増量

Follow me!

PAGE TOP