急性心不全

循環器
ミーアキャット

概念

左心不全:肺うっ血を主体、呼吸困難
右心不全:体うっ血を主体、下腿浮腫や肝腫大
低心拍出:全身倦怠感、食欲不振、せん妄

診断

Framingham基準 [Mckee, 1971]
大症状2つか、大症状1つおよび小症状2つ以上を心不全と診断

大症状
発作性夜間呼吸困難 or 起座呼吸
頸静脈怒張(45度の半坐位で右心房の高さと頚静脈怒張の最上部の高さが 5cm以上で異常)
ラ音聴取
心拡大
急性肺水腫
Ⅲ音奔馬調律
中心静脈圧上昇>16 cmH2O
循環時間延長 ≧25秒
肝頸静脈逆流

小症状
足の浮腫
夜間の咳
労作時呼吸困難
肝腫大
胸水
肺活量最大量から1/3低下
頻脈(心拍数 ≧120 /min)

大症状あるいは小症状
治療に反応して5日で4.5kg以上体重が減少した場合、心不全による効果ならば大症状1つ、それ以外の治療ならば小症状1つとみなす

初期治療

バイタル管理 ABCの確認

SpO2低下 酸素投与、血圧が保たれていれば半坐位
 ⇒ 改善不十分の際は、NPPV:CPAP 5-6 cmH2Oから漸増、PEEP導入 FiO2 1.0から
 ⇒ 気管内挿管

病態診断と治療 [Nohria, 2003]
うっ血性 肺水腫、全身浮腫の有無 wet or dry
低還流性 心拍出量低下 臓器低還流 cold or warm

Wet and warm
心機能低下がメイン ⇒ 利尿薬から開始、その後血管拡張薬を考慮
末梢血管収縮がメイン ⇒ 血管拡張のうえ、利尿薬

Wet and cold
収縮期BP 90 mmHg以下のとき ⇒ 強心薬を併用しながら利尿薬

薬剤

DOA(ドパミン®)利尿(2-3γ)⇒β刺激(3-10γ)⇒α刺激(10γ以上)
DOB(ドブタミン®)β1刺激作用(心収縮力↑)
NAD(ノルアドレナリン®)α刺激作用(血管収縮)
PDE-Ⅲ阻害薬(ミルリノン®)β刺激作用 + 血管拡張作用
硝酸薬(ミオコール®)血管拡張作用(特に静脈に作用)
hANP(ハンプ®)血管拡張作用 + Na利尿作用
利尿薬(フロセミド、ラシックス®)浮腫改善、(トルバプタン、サムスカ®)低Na血症のとき

α刺激(血管に作用) 血管抵抗上昇、血圧上昇
 α1 血管平滑筋 α2 中枢神経に分布
β刺激 心拍出量増加、心拍数増加
 β1 心筋 β2 血管や気管支の平滑筋

文献

Mckee PA, et al. The natual history of congestive heart failure: The Framingham Heart Study. N Engl J Med. 1971, 285, 1441-6

Nohria A, et al. Clinical assessment identifies hemodynamic profiles that predict outcomes in patients admitted with heart failure. J Am Coll Cardiol 2003, 41, 1797-804

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