抗菌薬の種類と特徴

感染症
コイ

ペニシリン系

細胞壁合成疎外薬
殺菌性抗菌薬
時間依存性抗菌薬 頻回投与が必須
アレルギーに注意 

PCG ペニシリンG ペニシリンG®
ABPC アンピシリン ビクシリン®
PIPC ピペラシリン ペントシリン® 緑膿菌~陰性桿菌まで効果あり
ABPC/SBT アンピシリン/スルバクタム ユナシン®
PIPC/TAZ ピペラシリン/タゾバクタム ゾシン® ESBL産生菌に適応

ペニシリンから離れるとGPCに対する効果下がる、逆にGNRにはあがる

GNR, gram negative rods 桿菌; GPC, gram positive cocci 球菌

セフェム系

細胞壁合成疎外薬
殺菌性抗菌薬
時間依存性抗菌薬 頻回投与が必須

GPCに対する効果:第一世代>第二世代>第三世代
GNRに対する効果:第三世代>第二世代>第一世代
第四世代 = 第一世代 + 第三世代
腸球菌には効果なし

第一世代 CEZ セファゾリン セファゾリン® ケフレックス®
MSSAの第一選択、E.coliにも効果あり

第二世代 CTM セフォチアム セフォチアム® ケフラール®
市中肺炎(インフルエンザ桿菌、モラキセラ、カタラーリス)に効果あり

第2.5世代 CMZ セフメタゾール セフメタゾール® フルマリン®
セフェム系で例外的に嫌気性菌(バクテロイデス)に効果あり(下部消化管の術前投与)

第三世代 CTRX セフトリキアソン セフトリキアソン®
髄液移行性あり
ペニシリン耐性肺炎球菌に効果あり、緑膿菌×
内服薬のバイオアベイラビリティ低い(15-20%)⇒ほぼ使用されない

第3.5世代 CAZ セフタジジム セフタジジム®、モダシン®
GNRに幅広く効果あり、緑膿菌に効果あり、GPC×

第四世代 CFPM セフェピム マキシピーム®
髄液移行性あり、緑膿菌に効果あり、GPCに効果あり、CNRに効果あり
医療関連感染(SPACE)へのカバー

SPACE
腸内細菌:Serratia marcescens, Citorobacter sp., Enterobactor sp.
ブドウ糖非発酵菌(GNFR):Pseudomonus aeruginosa, Acinetobacter

カルバペネム系

広域に効果あり
ペニシリン系との交差アレルギーの頻度が高い

MRSA、腸球菌、C.difficile、VRE、Corynebacterium、マイコプラズマ、レジオネラ、クラミドフィラ、リケッチア、S.multophilia

First choiceになる条件
重症院内感染、ESBLやAmpCなどの耐性菌、壊死性筋膜炎

ニューキノロン系

殺菌性抗菌薬
濃度依存性
小児には関節障害

GNR、緑膿菌に効果あり
非定型にも効果あり

適応
高齢者、免疫抑制状態、心・呼吸器疾患
レジオネラ肺炎、重症肺炎、緑膿菌カバー

第一世代 シプロフロキサシン CPFX シプロフロキサシン®
GNRが中心、緑膿菌への効果強い
GPRには効果薄い、腎代謝

第二世代 レボフロキサシン LVFX クラビット®
第一世代 + 肺炎球菌
市中肺炎の第一選択の一つ、腎代謝

第三世代 モキシフルキサシン MFLX アベロックス®
第二世代 + 嫌気性菌、肝代謝

アミノグリコシド系

タンパク質合成阻害薬:リボソーム30Sに作用
殺菌性抗菌薬
濃度依存性 1回投与量を十分確保する

緑膿菌を含むGNRに強い効果

テトラサイクリン系

タンパク質合成阻害薬
静菌性抗菌薬
濃度依存性
小児には、骨・歯に沈着

非定型肺炎に効果、リケッチア、人畜共通感染症にも効果
SPACE、緑膿菌をカバー

ドキシサイクリン DOXY ビブラマイシン®
ミノサイクリン MINO ミノマイシン®

マクロライド系

タンパク質合成阻害薬
リボソーム50Sに作用
静菌性抗菌薬
新しいほど副作用が減り、半減期が長い

非定型肺炎に強い
マイコプラズマ、クラミドフィラ、クラミジア、レジオネラをカバー

エリスロマイシン(あまり使用されない)
クラリスロマイシン
アジスロマイシン

グリコペプチド系

細胞壁合成阻害薬
黄色ブドウ球菌には静菌的
投与速度 1時間以上で ⇒ レッドパーソン症候群予防

VCM バンコマイシン

細胞壁に作用

GPC、MRSA、腸球菌に効果あり

ST合剤

サルファメゾキサゾール と トリメトプリムの合剤(1:5)
細菌の葉酸代謝を阻害

Pneumocystis jiroveciの第一選択(治療と予防)
K上昇に注意

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