低Na血症

腎臓
ミミナガヤギ

血漿浸透圧 正常または高値

代償性低Na血症の可能性
 高血糖、マンニトール製剤

偽性低Na血症の可能性
 高TG血症、パラプロテイン血症

ともにNa補正の必要なし

高血糖時:補正Na = 実測Na + 2.4×([血糖値-100]/100)
 血糖 500mg/dLの場合は 9.6 下がる

血漿浸透圧低下

原因は、水中毒、溶質摂取不足、ADH過剰分泌のいずれか

鑑別診断と治療

循環血漿量増加 

心不全、肝硬変、腎不全、ネフローゼ症候群
⇒ 塩分制限、スピロノラクトン、バプタン®(バゾプレッシン阻害薬)

循環血漿量正常

SIADHパターン、利尿薬、甲状腺機能低下、副腎不全、心因性多飲
⇒ 尿浸透圧、尿中Na、Cr測定

循環血漿量減少

尿浸透圧 100mOsm/L未満
 ⇒ 水中毒、溶質不足

尿浸透圧 100mOsm/L以上
尿中Na 30mEq/L未満
 細胞外液減少 ⇒ 嘔吐、下痢、火傷
 細胞外液増加 ⇒ 心不全、肝硬変、ネフローゼ
尿中Na 30mEq/L以上
 細胞外液減少 ⇒ 利尿薬、副腎不全、塩類喪失性腎症
 細胞外液増加 ⇒ SIADH

尿浸透圧 = (尿比重の下2桁)× 25~40(概算)

症候性の治療

①3%食塩水 100mLを20分でdiv(症状が続く場合は、10分後に再投与)

②3%食塩水 50-100 mL/h

③症状の改善により生理食塩水に変更

治療の最大量:24時間で 10 mEq/L かつ 48時間で 18 mEq/L 以内の補正
10%NaCl 30mL と 5%ブドウ糖 70 mLを混合 ⇒ 3%NaCl

SIADS

バゾプレシン分泌過剰症 syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion

原因

悪性腫瘍、中枢神経疾患、肺疾患、HIV
薬剤性 NSAIDs、抗うつ剤、抗精神病薬、抗がん剤、利尿薬

診断(厚生労働省 2010)

低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度<135 mEq/L
血漿バゾプレシン値:血漿バゾプレシン濃度が測定感度以上
低浸透圧血症:血漿浸透圧 <280 mOsm/kg
高張尿:尿浸透圧 >300 mOsm/kg
Na利尿の持続:尿中Na濃度 >20 mEq/L
腎機能正常:血清クレアチニン <1.2 mg/dL
副腎皮質機能正常:早朝空腹時の血清コルチゾール >6 μg/dL

Follow me!

PAGE TOP